先日、わが社の元役員が亡くなり、その葬儀に参列してきました。昭和23年に高校を卒業後すぐに寺崎工業へ「会計係」として入社、最終的には「専務取締役」としてわが社をリードしていただきました。約50年間にわたって勤務され平成9年に68歳で退職、そして今年、令和7年に96歳でその生涯を終えられました。寺崎工業一筋、経理・総務畑において組織の土台を支えていただきました。一度決めたら曲げるのが大っ嫌いという性格で、会社ではうるさい存在(良い意味で)ではなかったかと思います。
当日、祭壇に飾られた「遺影」を見ますと、わが社におられた頃の写真が使われていました。そして何とスーツの襟元には寺崎工業の「社章」が付いていました。帰り際、喪主に「在籍されていた時の写真ですね」と言ったところ「父は寺崎工業にいたことを誇りとしていました。この写真が一番父らしい写真だと思います」との返事をいただきました。嬉しく思い「ありがたいです」と返しました。
「遺影」に使う写真は、そこそこの歳になった時の写真を使うのが一般的だと思いますが、現役で一番輝いていたときの写真を使う。あの元役員らしいなと改めて思い、小さく笑みがこぼれました。新卒から約50年間わが社一筋で働き、そして社章の付けた写真を「遺影」にしてくれる。こちらが感謝です。一人でも多くそんな思いをもった仲間をつくっていければいいと考えました。