和倉温泉のいま

先日、和倉温泉の旅館へ地震のお見舞いに行ってきました。年に数回ですが、その旅館で楽しいひと時を過ごさせていただいている関係から、今回の震災が他人事とは思えず行ってきた次第です。地震から二ヶ月も経つと、七尾までの道は普段と変わらない車の量でスムーズに行くことができました。しかし、和倉温泉駅前の道を右に曲がってからは状況が一変。車の数もめっきり減り、ひっそりとした温泉街になっていました。どの旅館も外壁のひび割れやガラスの破損など被災の跡を残し、小雪の舞う中、寒さが一層身に染みました。

「せっかく来たんだから中を見ていってください」と言われ、ヘルメットを被り懐中電灯を照らしながら一階を見せてもらいました。エレベーターホールの吹き抜けから落下したタイルが散乱し、厚いガラスが割れ、水(海水)の溜まっているところもありました。あの賑やかで活気のあるホールやお土産通りが、薄暗くてモノが散乱している光景になっているのを見て、目をそらしたくなりました。

1月1日は満館だったそうです。そのお客さんを誰ひとりケガさせずに避難させることができた。ここにも一流といわれる訳があると思います。また避難所での炊き出し、毛布や布団の提供もいち早く行っておられ、さすが一流旅館だと感じました。事実を淡々と受け止め真っ直ぐに復興への道を歩んで行かれるものと信じています。楽しく笑顔あふれる温泉街が再開することを信じ、その時はまた大いに利用させてもらいたいと思っています。

復興支援と災害対策

先日の連休に「道の駅 氷見」へ行ってきました。能登半島地震による断水や液状化の被害がありましたが、現在は全店舗が営業しています。復興支援のイベントも行われており、多くの県外ナンバーも見かけました。家族連れや観光客が行き交い、活気にあふれていました。

昨日のニュースで、日本赤十字社が被災地での医療救護活動を終了すると報道されていました。今では支援活動も、避難所から仮設住宅や被害を受けた住宅への対応に移っています。富山県建設業協会も各支部で班をつくり、被災地へ赴いて復旧活動を行っていましたが、今後は本格的な復旧工事(土木工事や解体工事)が求められてくるものと思われます。

弊社も地震直後は炊き出しの食料などを被災地に送り、その後もグループ各社で義援金やふるさと納税などの支援をしています。また得意先の建物についても、被害調査から復旧工事に向けて動いているところです。日々刻々と支援の在り方が変わってきていると感じます。

県内を見ると、被害が大きかったのは地盤が弱いところのようでした。改めて「地盤の良いところ」が求められると思います。土地を買うときは切土なのか盛土なのか、かつては沼だったのか池だったのか、その土地の長老に聞いてから行動に移せといいます。地盤のしっかりした場所選び、地盤改良工事の必要性の有無、耐震を考えた設計など、今まで以上に考えていく必要があります。

弊社も今回の地震を踏まえ、改めて緊急災害時の対策を考えていきます。まず「安否確認」システムをグループ各社に導入します。大地震などの災害発生後、社員に一斉発信し安否の確認をします。そして、富山と高岡に災害時の拠点をつくります。とりあえず携帯用の「水タンク」と段ボール製の「簡易トイレ」を100個ずつ、それぞれの拠点に用意しました。これからも緊急時に役立つ防災用品を充実させていきます。

もう少し先になると思いますが、能登の観光地を巡り、和倉温泉に宿泊し、復興支援に少しでも協力できればと考えています。近い将来に会社の慰安旅行で、和倉の湯と復興の美酒を楽しめる日が来ることを信じています。